1件のランダム化試験は、合併症のない菌血症には7日間の抗菌薬療法で十分であることを確認した。
従来、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)以外の菌血症は、14日間の静脈内投与による抗菌薬療法で管理されることがもっとも多かった。しかし、菌血症以外の多くの感染症に対するより短期間の治療の有効性を考慮すると、菌血症の治療に必要な期間には疑問が投げかけられている。
このランダム化試験(主にカナダ、オーストラリア、ニュージーランドで実施された)において研究者らは、血流感染症の入院患者3,600人で、7日間と14日間の抗菌薬療法を比較した。患者がS. aureus感染症、好中球減少症、重度の免疫不全、人工心臓弁、血管内グラフト、その他のより長期間の治療の適応を有する場合は、その患者は除外された。大部分の感染症は市中感染であり、もっとも多かった感染源は尿路(43%)、腹腔内または肝胆道系(19%)、肺(13%)であった。大部分の感染症は単一の微生物によるものであった(グラム陰性70%、グラム陽性17%)。
主要アウトカムである90日死亡率は、7日間群で14%、14日間群で16%であった。さまざまなサブグループ(例:集中治療室の患者、グラム陽性またはグラム陰性の菌血症患者)において、7日間および14日間の抗菌薬の結果は同じであった。7日間群のほうが抗菌薬を使用しなかった日数が少なかったこと以外に、さまざまな副次的アウトカムに群間で有意な差はなかった。
CITATION(S)
The BALANCE Investigators, for the Canadian Critical Care Trials Group. Antibiotic treatment for 7 versus 14 days in patients with bloodstream infections. N Engl J Med 2024 Nov 20; [e-pub]. (https://doi.org/10.1056/NEJMoa2404991)
コメント
これらの知見は、より小規模な現在の試験の知見を支持するものである。14日間の治療による菌血症のルーティンの管理がどれも客観的データに基づくものではないことを考慮すると、この試験で除外された病態を除いて、菌血症に対して7日間を超えて抗菌薬を投与する理由を、私は見出さない。