診断前の5年で、特発性全般てんかん患者にはマッチさせた対照よりも精神科薬がより多く処方されていた。
特発性全般てんかん(idiopathic generalized epilepsy:IGE)は症候群、すなわち若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん、および全般強直間代発作のみを示すてんかんを含む。これらの症候群は遺伝的特徴および臨床的特徴(例:認知障害、衝動性、パーソナリティ障害、精神障害)を共有しており、これらの患者は精神科的併存症を過剰に有している。これらの併存症がIGEの前駆症状であるのか後遺症であるのかを明らかにするために研究者らは、13年の観察研究を行い、IGE患者を年齢および性でマッチさせた対照と比較した。
診断前の5年間、デンマークの全国登録のIGE患者約1,000人(平均年齢16歳)は、対照群よりも病院および一般医(general practitioner)との接触が多く、精神科の薬の処方を受けることが多かった(4.2% 対 2.5%)。この研究の終了時、IGE患者は対照よりも精神科的併存症を有する割合が高かった(26.5% 対 17.8%)が、精神作用物質の使用やパーソナリティ障害の割合に差はなかった。同様のパターンが、患者400人の三次医療コホートで認められた。
CITATION(S)
Gesche J et al. Prodromal phase of idiopathic generalized epilepsy: A register-based case control study. Neurology 2024 Oct 22; 103:e209921. (https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000209921)
コメント
これらの結果は、頻繁に医療へ接触し、新たな精神症状を呈する10代の患者で、とくに家族に同程度またはより軽度の認知障害、パーソナリティ障害、精神障害がある場合(これらの症候群の遺伝的側面を踏まえて)に、臨床家にIGEを考慮するよう促すはずである。IGE発作の中には微妙なものもあるため、このような患者が凝視発作、眼球粗動エピソード、自動症、短期間の不随意の筋収縮を発現する場合に、脳神経内科へのコンサルテーションを考慮することは重要である。一般医および脳神経内科医は精神科的併存症についてもこれらの患者をモニタリングすべきである。