成人1,500万人で心不全リスクが上昇していることを研究者らは見出した。
臨床家は、American Heart Associationの新しい心リスク計算式であるPREVENTが、アテローム硬化性心血管疾患リスクと心不全リスクの両方を計算できることを知らないかもしれない(NEJM JW Gen Med Jul 15 2024、Circulation 2024; 149:430)。この研究で研究者らは、全国を代表する調査データから既知の心血管疾患のない約5,000人を同定し、PREVENT計算式を用いて心不全リスクを評価した。
心不全の10年リスクの平均は3.7%であった。低(10%未満)、中(10%~19.9%)、高(20%以上)と定義されたリスクカテゴリーによると、米国成人の推定1,500万人が中または高リスクである。リスクが上昇している成人では、約50%が血圧上昇(収縮期血圧130 mmHg超)、約50%が肥満(体格指数[body-mass index:BMI]30 kg/m2超)であった。
CITATION(S)
Sussman JB et al. Clinical characteristics and current management of U.S. adults at elevated risk for heart failure using the PREVENT equations: A cross-sectional analysis. Ann Intern Med 2024 Dec 17; [e-pub]. (https://doi.org/10.7326/ANNALS-24-01321)
コメント
心不全リスクが上昇している可能性のある米国成人が多数いることは注目に値する。これらの成人では、血圧とBMIの上昇がよくみられた。高血圧のコントロールと肥満の軽減は心不全リスクにかかわらず臨床的に重要であるが、心不全リスクの推定値を用いて、関連する危険因子を有する患者との会話に役立てることは妥当であると考えられる。ガイドラインは臨床家に心不全のリスクがある人を同定するよう奨励しており(J Am Coll Cardiol 2022; 79:e263)、PREVENTは臨床医にそのための便利な選択肢を提供している。