1件の観察研究は、左心耳閉鎖術は有望であることを示した。
経口抗凝固療法による治療にもかかわらず、心房細動(atrial fibrillation:AF)を有する患者の一部はブレイクスルー塞栓イベントを経験することになり、これらの患者はさらなる再発イベントのリスクが高い。この観察研究では、経口抗凝固療法中に虚血性脳卒中またはその他の血栓塞栓イベントを発症したあとに左心耳(left atrial appendage:LAA)閉鎖術を受けたAF患者433人(平均年齢72歳)を、イベント後に経口抗凝固療法を継続した患者433人と傾向(propensity)でマッチさせた。CHA2DS2-VAScスコアの平均は両群とも5であった。
2年の追跡期間中、脳卒中の年間の発生率は、LAA閉鎖術群で2.8%、経口抗凝固療法継続群で8.9%であった。LAA閉鎖術を受けた患者の7%で、心嚢液貯留(3%)およびアクセス部位合併症(3%)を含む、手技に関連する合併症が生じた。
CITATION(S)
Maarse M et al. Left atrial appendage occlusion vs standard of care after ischemic stroke despite anticoagulation. JAMA Neurol 2024 Nov; 81:1150. (https://doi.org/10.1001/jamaneurol.2024.2882)
コメント
この研究は、LAA閉鎖術が、経口抗凝固療法にもかかわらず虚血性イベントを生じる高リスクAF患者に対する有望な治療法であることを示している。2つの治療ストラテジーを比較するランダム化試験が開始されており、これらの研究の結果はAF患者にとって重要になるであろう。