1件の後ろ向き研究で、より少ない再入院および完全な断酒と関連した唯一の退院時の介入は、滞在型治療プログラムへの退院であった。
アルコール離脱による入院は、薬物療法の開始、治療プログラムへ登録、またはその両方の機会となり、これらは疾患経過を変えうる。1年間(2018~19年)に、Veterans Affairsの病院19施設にアルコール離脱により入院した患者約600人(男性96%)におけるこの後ろ向き研究で、研究者らは、アルコール使用障害(alcohol use disorder:AUD)に対する薬物(例:naltrexone、acamprosate、disulfiram、gabapentin、topiramate)の処方率と、予定された経過観察のための予約を評価した。
退院時のAUD治療薬の処方(患者の51%)および退院時に予定された経過観察の予約のいずれも、30日再入院および6ヵ月間の断酒と関連しなかった。滞在型AUD治療プログラムへの直接の退院のみが、再入院がより少ないこと(オッズ比[odds ratio:OR]0.4)および断酒(OR 2.5)と有意に関連していた。さらに、退院時にプライマリケアの受診予約を取り、実際に受診したことは、再入院がより少ないことと関連していた(OR 0.3)。
CITATION(S)
Allaudeen N et al. Medications for alcohol-use disorder and follow-up after hospitalization for alcohol withdrawal: A multicenter study. J Hosp Med 2024 Dec; 19:1122. (https://doi.org/10.1002/jhm.13458)
コメント
これらの結果は、滞在型治療プログラムへの紹介を受け入れる患者は、禁酒の意欲がある傾向にあるという私の経験と一致している。この研究では、AUD治療薬の処方を受けることはアウトカムの改善を伴わなかったが、交絡の残存と検出力の不足がこのアウトカムに影響を及ぼしたと考えられる。ほかの研究は、再入院の予防を含むAUD治療薬の有効性を示している(JAMA Netw Open 2024; 7:e243387)。実際にプライマリケアを予約どおりに受診した患者は再入院する割合が有意に低かったことから、退院時にはこの典型的な介入を継続して行うべきである。