metforminおよびGLP-1受容体作動薬は喘息の増悪をいくらか予防するようである。
糖尿病と肥満は喘息の症状および増悪と関連し、いくつかの観察研究は、metforminおよびglucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体作動薬が喘息コントロールの改善と関連するかもしれないことを示唆している。この研究で英国の研究者らはこの問題をさらに検討した。
自己対照症例シリーズおよび傾向スコアでマッチさせた(propensity-matched)コホート研究(喘息を有し2型糖尿病または前糖尿病の患者を合計12,000人含む)のいずれにおいても、metforminの使用は喘息の増悪がより少ないことを伴った(それぞれ24%と30%の減少)。GLP-1作動薬を追加することは増悪がさらに40%減少することを伴った。ほかの糖尿病治療薬は効果を示さなかった。これらの差は、代謝表現型(体格指数[body-mass index]と糖化ヘモグロビン値)および喘息表現型(好酸球数と喘息の重症度)とは独立していた。
CITATION(S)
Lee B et al. Antidiabetic medication and asthma attacks. JAMA Intern Med 2024 Nov 18; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2024.5982)
Cahill KN and Foer D. Borrowing from the type 2 diabetes armamentarium for asthma. JAMA Intern Med 2024 Nov 18; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2024.5983)
コメント
metforminおよびGLP-1作動薬により喘息コントロールが改善する機序は不明である。それらが直接肺に作用するのかもしれないし、それらの作用が体重減少または高血糖による炎症の軽減に関連するのかもしれない(この研究でこれらの因子は調整されていたが)。GLP-1作動薬の作用は好酸球増加(2型炎症の主なマーカー)とは独立していたため、2型炎症を有しない肥満患者にとっては魅力的な選択肢となるかもしれない。これらの後ろ向きコホート研究に基づいて、ほかの承認された適応症を有しない患者に対してこれらの薬物で喘息を管理することは時期尚早であるが、ランダム化試験が進行中である。優れた付随するエディトリアルがさらなる洞察を提供している。