遺伝カウンセリングをはじめ、ファブリー病に関する様々なご相談に応じます

  • 診療科遺伝診療
  • エリア神奈川県相模原市

高田 史男(たかだ ふみお)先生

北里大学大学院医療系研究科 臨床遺伝医学講座 教授
北里大学病院 遺伝診療部 部長

高田 史男(たかだ ふみお)先生

ファブリー病を含む遺伝性疾患は遺伝カウンセリングが重要

北里大学病院 遺伝診療部では、ファブリー病を含む遺伝性疾患に経験豊富な臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーが他診療科と連携した精査や遺伝カウンセリングを、患者さんやご家族とご相談しながら進めています。
遺伝に関わる問題は、極めてデリケートな内容を含む事が少なくありませんので、初回の遺伝カウンセリングでは1時間半〜2時間を確保し、じっくりとお話を伺いその上で説明をさせて頂きます。患者さんやご家族が、遺伝学的検査を受けた場合と受けなかった場合のそれぞれのメリット・デメリットや将来起こり得る可能性など分かりやすく説明します。
患者さんやご家族の遺伝や遺伝病にまつわる様々な不安や疑問に対し、難解かつ最新の遺伝医学情報を分かりやすくご説明するとともに自己決定の支援を致します。

ファブリー病は早期診断・早期治療が重要

ファブリー病はX染色体連鎖遺伝の糖脂質代謝異常症です。ライソゾーム内の加水分解酵素の一種、α-ガラクトシダーゼの活性が欠損または低下し、糖脂質のセラミドトリヘキソシドが分解されず全身の臓器や組織に蓄積することにより、多彩な臨床症状を呈する進行性の疾患です。特徴的な症状として、四肢の疼痛、被角血管腫、低(無)汗症、角膜混濁があります。進行すると、腎臓、心臓、脳の障害が発現します。ただし、これらの全身的な症状はすべてあらわれるとは限らず、患者さんによって程度や発現時期もさまざまです。
一般にファブリー病の認知度は低く、ファブリー病と診断されずに苦しんでいる患者さんが多くいると考えられます。原因不明の四肢の疼痛、腎障害または心障害を呈する患者さんの中にこの疾患が潜在している可能性があります。家族歴等も確認の上、疑いが強い患者さんでは、血液中のα-ガラクトシダーゼ活性測定の実施が考慮されます。平成28年度診療報酬改定で、αガラクトシダーゼの活性測定を含む遺伝学的検査を実施する医療機関は、地方厚生局への届け出が必要となりましたのでご留意ください。
ファブリー病と診断された場合、現在は酵素補充療法を行うことが可能で、患者さんは2週間に1回、α-ガラクトシダーゼ酵素製剤の点滴投与を受けていただくことにより諸症状の軽減が期待できます。また近年、α-ガラクトシダーゼの立体構造を安定化することによって本来の酵素の働きを促進するシャペロン療法が認可されています(治療反応性のある遺伝子変異を伴う16歳以上の患者さんが対象)。さらに、必要に応じ、痛みや心・腎症状などに対する対症療法も行います。ファブリー病の予後改善のためには、早期診断・治療が重要です。ファブリー病をはじめとする遺伝性疾患が疑われる場合や遺伝カウンセリングが必要な場合など、ぜひご相談ください。

病気を正しく理解いただくために

ファブリー病は遺伝性の疾患であるため、患者さんはご家族への影響など、さまざまな悩みや不安を持たれると思います。一方、遺伝カウンセリングをはじめとした遺伝医療と関係が少ない医師が主治医になることも多く対応に苦慮される案件も少なくない疾患です。遺伝カウンセリングはそうした両者をつなぐ重要な役割を担っていると考えています。
遺伝カウンセリングの目的は、医学的・専門的な情報や心理社会的な問題を理解し、患者さんご自身が納得の行く決定をできるよう、また様々な心理的ストレスに対処していかれるよう支援することです。正しい情報をわかりやすく、かつご理解いただけるまで丁寧に説明します。プライバシー保護には特に配慮していますので、安心してご相談ください。

医療機関名称 北里大学病院 遺伝診療部
住所 〒252-0375 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
電話番号 042-778-8431
医師名 教授 高田 史男(たかだ ふみお)先生
ホームページ http://www.idenigak.jp/index.html外部サイトを開く