- トップ >
- ラツーダ >
- ラツーダ:製品お役立ち情報 >
- ラツーダの臨床疑問をクイックに解決
ラツーダの臨床疑問をクイックに解決

【患者像】ラツーダの治療対象となる患者像は?
統合失調症では、「初発の急性期患者」や「幻覚や妄想が再燃した急性期患者」などがラツーダの治療対象となります。

解説
ラツーダが本邦において統合失調症の適応症を取得する根拠となった第3相試験がJEWEL試験です。
本試験の対象は、急性増悪期の統合失調症患者483例です。対象をプラセボ群又はラツーダ40mg群に無作為に分け、治験薬を1日1回、夕食時*又は夕食後に6週間経口投与しました。
有効性の主たる解析は、ITT集団を対象として実施しました。有効性の主要評価項目である6週時のPANSS合計スコアのベースラインからの変化量は、併合した実施医療機関、評価時期、治療群、治療群と評価時期の交互作用および、ベースラインのPANSS合計スコアを共変量とする反復測定のための混合モデル(MMRM)法を用いて解析し、最終評価時(LOCF)に治療効果(反応)が認められた患者の割合をLogistic regressionで評価しました。
安全性解析対象集団は、無作為化され二重盲検治療期に少なくとも1回治験薬を投与された患者として実施しました。
*:本邦での承認用法は食後経口投与
患者背景をみると、男女比は約1:1、平均年齢は約40歳でした。病型は妄想型が約90%、罹病期間は約10年、現エピソードの期間は約20日でした。また、ベースライン時のPANSS合計スコアは、プラセボ群で101.7、ラツーダ40mg群で102.8、CGI-Sスコアはそれぞれ4.9、5.0でした。このように、本試験には、若年で、急性期で、中等度以上の症状を有する患者が組み入れられました。
主要評価項目である6週時のPANSS合計スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群-12.7、ラツーダ40mg群-19.3、投与群間の差-6.6と、統計学的に有意であり、ラツーダ40mgのプラセボに対する優越性が検証されました。また、Effect sizeは0.410でした。
副作用発現頻度は、プラセボ群57例(24.3%)、ラツーダ40mg群69例(27.9%)でした。発現頻度が2%以上の副作用は、プラセボ群では不眠症12例(5.1%)、統合失調症11例(4.7%)、不安9例(3.8%)などで、ラツーダ40mg群では頭痛、アカシジア、統合失調症が各10例(4.0%)などでした。
重篤な副作用は、プラセボ群2例2件[統合失調症、自殺企図各1件]、ラツーダ40mg群1例1件[統合失調症1件]に認められました。
投与中止に至った有害事象は、プラセボ群15例[統合失調症11例、手骨折、精神病性障害、敵意、自殺企図各1例]、ラツーダ40mg群14例[統合失調症7例、房室ブロック、肺結核、体重増加、不安、カタトニー、妄想、精神病性障害各1例]に認められました。
試験期間中、いずれの群においても死亡は報告されませんでした。
本試験では、臨床検査値への影響も検討されています。6週時点での体重、BMIの変化量や、HbA1c、コレステロールなど糖脂質代謝への影響、プロラクチンへの影響はこちらに示す通りです。
【患者像】ラツーダの陽性症状に対する効果は?
急性増悪期の統合失調症患者を対象としたJEWEL試験では、
ラツーダ40mgは、プラセボに比べて、PANSS 5因子モデル別スコアのいずれの項目も有意に低下させました。

解説
急性増悪期の統合失調症患者を対象としたJEWEL試験では、陽性症状スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群-2.4、ラツーダ40mg群-3.7でした。
各来院時の変化量をみると、投与開始2週目から有意差が認められました。
陽性尺度スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群-3.9、ラツーダ40mg群-6.1でした。
各来院時の変化量をみると、投与開始2週目から有意差が認められました。
興奮スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群-1.5、ラツーダ40mg群-2.5でした。
各来院時の変化量をみると、投与開始2週目から有意差が認められました。
【至適用量】開始用量は何mgにすべきか?
統合失調症には、ラツーダ40mgから開始してください。

解説
統合失調症に対する用法及び用量に関連する注意は、こちらに示す通りです。
国際共同第3相試験(JEWEL試験)では、ラツーダ40mg/日が統合失調症に対する開始用量でした。この用量は、国内第2相後期試験で、20mg/日は有効性が確認できなかったばかりか、原疾患の悪化による中止が増えてしまうといった報告1)があったために設定されました。
1)社内資料:国内P2b試験(P2-J001)【承認時評価資料】
一般的に、統合失調症治療では、65%以上のドパミンD2受容体占有率が必要といわれています2)。ルラシドン投与量と脳内ドパミンD2受容体占有率の関係性を検討したグラフをみると、40mg/日がその最低ラインとなっています。つまり、承認用量の40mg~80mgが、有効性が示され副作用が出にくいとされる、いわゆるtherapeutic windowの範囲であることがわかります。
2)Nord M, et al. CNS Neurosci Ther. 2011;17(2):97-103.
また、モーズレイ処方ガイドライン(第14版)では、ラツーダ(ルラシドン塩酸塩)の最小有効用量は、初発エピソード・複数エピソードともに、40mgと位置付けられています3)。
3)Taylor DM, et al.:The Maudsley Prescribing Guidelines in Psychiatry 14th Edition
【至適用量】80mgへの増量効果は?
JEWEL継続試験では、ラツーダ40mg群において十分な効果が得られなかった
患者集団におけるラツーダ80mg/日への増量効果が検討されました。
その結果、PANSS合計スコアがベースラインから20%以上改善しなかった患者集団における
PANSS合計スコア変化量は、ラツーダ最頻投与量40mg群では-6.2、80mg群では-10.7でした。

解説
国際共同第3相試験(JEWEL継続試験)では、JEWEL試験を完了した統合失調症患者にラツーダ(40mg/日及び80mg/日)を長期投与したときの安全性と有効性を評価しました。
対象は、先行試験であるJEWEL試験を完了した統合失調症患者289例です。
12週間の非盲検治療期では、ラツーダ40mg又は80mgを1日1回、夕食時*又は夕食後に経口投与しました。Day 1からDay 7まではラツーダ40mg/日を投与し、Day 8以降は、臨床的に必要と判断された場合には80mg/日に増量することを可としました。
*:本邦での承認用法は食後経口投与
最終評価時(LOCF)のPANSS合計スコアの非盲検治療期ベースラインからの変化量は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群-10.2、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群-7.6でした。
また、サブグループ解析では、JEWEL試験のラツーダ40mg群において、十分な効果が得られなかった患者集団におけるラツーダ80mg/日への増量効果が検討されました。その結果、PANSS合計スコアがベースラインから20%以上改善しなかった患者集団におけるPANSS合計スコア変化量は、ラツーダ最頻投与量40mg群では-6.2、80mg群では-10.7でした。また、PANSS合計スコアがベースラインから30%以上改善しなかった患者集団では、それぞれ-6.6、-10.9でした。
副作用発現頻度は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群36.9%、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群32.4%でした。いずれかの群で発現頻度が2%以上であった副作用は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群の順に、悪心5.0%、2.0%、便秘2.8%、2.0%、血中プロラクチン増加2.1%、4.7%、アカシジア8.5%、4.7%、頭痛2.1%、3.4%、パーキンソニズム2.8%、1.4%、統合失調症2.8%、2.0%、不眠症2.8%、1.4%でした。
重篤な副作用は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群5例6件[統合失調症4件、衝動行為、自殺企図各1件]、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群3例3件[統合失調症3件]に認められました。
投与中止に至った有害事象は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群10例[統合失調症6例、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、QT延長、背部痛、衝動行為各1例]、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群8例[統合失調症5例、不安、血管浮腫、蕁麻疹各1例]でした。
なお、試験期間中、いずれの群においても死亡は報告されませんでした。
なお、ラツーダは、20mg、40mg、60mg、80mgの4規格あります。ラツーダを40mg/日、60mg/日、80mg/日を処方する際は、各規格で処方した方が経済的です。
ラツーダの臨床疑問 まとめ
ラツーダは、急性増悪期の統合失調症患者さんに有用性が示されています。
また、統合失調症におけるラツーダの開始用量は40mgで、症状に応じて最大80mgまで増量することが可能です。

エキスパートが解説!ラツーダ MOVIE LIBRARY

ラツーダ MOVIE LIBRARYは、ラツーダの最新のエビデンスから実臨床における具体的な使用方法などをエキスパートの先生方に詳しく解説いただいた動画コンテンツ集です。
※各コンテンツをご視聴いただくには当サイトの会員登録が必要です