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【クイズで確認】統合失調症に対するラツーダの用法及び用量、増量効果<解説>
解説
ラツーダの統合失調症に対する用法及び用量は、「通常、成人にはルラシドン塩酸塩として40mgを1日1回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は80mgを超えないこと。」となっております。
ラツーダ40mg/日が設定された背景
国際共同第3相試験(JEWEL試験)では、ラツーダ40mg/日が統合失調症に対する開始用量でした。この用量は、国内第2 相後期試験で、20mg/日は有効性が確認できなかったばかりか、原疾患の悪化による中止が増えてしまうといった報告1)があったために設定されました。
1)社内資料:国内P2b試験(P2-J001)【承認時評価資料】
ラツーダの最小有効用量40mg/日を支持するデータ
一般的に、統合失調症治療では、65%以上のドパミンD2受容体占拠率が必要といわれています2)。ルラシドン投与量と脳内ドパミンD2受容体占有率の関係性を検討したグラフを見ると、40mg/日がその最低ラインとなっています。つまり、承認用量の40mg~80mgが、有効性が示され副作用が出にくいとされる、いわゆるtherapeutic windowの範囲であることがわかります。
2)Nord M, et al. CNS Neurosci Ther. 2011;17(2):97-103.
また、モーズレイ処方ガイドライン(第14版)では、ラツーダ(ルラシドン塩酸塩)の最小有効用量は、初発エピソード・複数エピソードともに、40mgと位置付けられています3)。
3)Taylor DM, et al.:The Maudsley Prescribing Guidelines in Psychiatry 14th Edition
ラツーダ80mgへの増量効果
JEWEL試験に引き続き実施されたJEWEL継続試験では、JEWEL試験のラツーダ40mg群において十分な効果が得られなかった患者集団でラツーダ80mgへの増量効果が検討されています。
対象は、JEWEL試験を完了した統合失調症患者289例で、12週間の非盲検治療期では、ラツーダ40mg又は80mgを1日1回、夕食時※又は夕食後に経口投与しました。Day 1からDay 7まではラツーダ40mg/日を投与し、Day 8以降は、臨床的に必要と判断された場合には80mg/日に増量することを可としました。
※:本邦での承認用法は食後経口投与
最終評価時(LOCF)のPANSS合計スコアの非盲検治療期ベースラインから本試験終了時である12週までの変化量は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群−10.2、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群−7.6でした。
また、JEWEL試験のラツーダ40mg群でPANSS合計スコアの改善が20%未満で、十分な効果が得られなかった患者集団において、継続試験ベースラインからのPANSS合計スコア変化量がラツーダ最頻投与量40mg群では-6.2であったのに対し、最頻投与量80mg群では-10.7でした。
副作用発現頻度は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群36.9%、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群32.4%でした。いずれかの群で発現頻度が2%以上であった副作用は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群の順に、悪心5.0%、2.0%、便秘2.8%、2.0%、血中プロラクチン増加2.1%、4.7%、アカシジア8.5%、4.7%、頭痛2.1%、3.4%、パーキンソニズム2.8%、1.4%、統合失調症2.8%、2.0%、不眠症2.8%、1.4%でした。
重篤な副作用は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群5例6件[統合失調症4件、衝動行為、自殺企図各1件]、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群3例3件[統合失調症3件]に認められました。
投与中止に至った有害事象は、プラセボ→ラツーダ40-80mg群10例[統合失調症6例、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、QT延長、背部痛、衝動行為各1例]、ラツーダ40mg→ラツーダ40-80mg群8例[統合失調症5例、不安、血管浮腫、蕁麻疹各1例]でした。
なお、試験期間中、いずれの群においても死亡は報告されませんでした。
統合失調症に対するラツーダの投与方法
統合失調症における投与方法は、40mgを1日1回食後経口投与から開始し、年齢、症状により適宜増減します。なお、1日80mgまで使用することができます。
統合失調症におけるラツーダの開始用量は40mgで、症状に応じて最大80mgまで増量することが可能です。
統合失調症患者さんの症状に応じて、ラツーダ40-80mgをぜひお役立てください。