ツイミーグ ツイン メッセージ TIMS1試験の『有効性』×『安全性』

ツイミーグ ツイン メッセージ TIMS1試験の有効性×安全性

2021年6月、従来と異なる作用機序の経口血糖降下薬、「ツイミーグ」が世界に先駆けて、我が国で製造販売承認を取得しました。
ツイミーグは、既存の経口血糖降下薬とは異なる作用機序をもち、日本人における有効性・安全性が検討されています。

ツイミーグはTetrahydrotriazine構造を有する新規血糖降下薬で、NAMPT(NAD 合成酵素)とミトコンドリアへの作用を介すると想定され、1剤でグルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取り込み能改善)を有し血糖を低下させます。
今回は、ツイミーグ単独療法の国内第3相試験の単独投与(TIMES 1試験)における有効性と安全性について、ご紹介いたします。

試験概要・患者背景

本試験の目的は、日本人2型糖尿病患者を対象として、ツイミーグ2,000mg/日を経口投与したときの、HbA1c改善(投与24週後)のプラセボに対する優越性を検証することです。
対象は食事・運動療法または他の経口血糖降下薬の単独療法で血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者213例で、プラセボまたはツイミーグ1回1,000mg、1日2回のいずれかに無作為で割り付け、24週間投与しました。
主要評価項目は24週時のHbA1cのベースラインからの変化量でした。

男性の割合はプラセボ群72.6%、ツイミーグ群84.0%、年齢の平均値は両群とも約62歳、65歳以上の高齢者の割合はそれぞれ45.3%、49.1%でした。罹病期間はそれぞれ平均7.2年、7.7年でした。

HbA1cの変化量

投与24週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群で0.15%、ツイミーグ群で-0.72%であり、ツイミーグ群とプラセボ群との差[最小二乗平均値(95%信頼区間)]は、−0.87%(−1.041~−0.691)であり、プラセボ群に対する優越性が検証されました(p<0.0001、MMRM)。

HbA1cのベースラインからの変化量の推移について紹介しております。

年齢別の部分集団解析では、投与24週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群の65歳未満で0.23%、65歳以上で0.02%であり、ツイミーグ群の65歳未満で-0.70%、65歳以上で-0.75%であり、65歳未満と65歳以上ともにプラセボ群と比較して有意な改善がみられました(p<0.0001、MMRM)。

安全性

副作用は、プラセボ群で6.5%、ツイミーグ群で4.7%に認められました。主なもの(発現例数2例以上)は、ツイミーグ群が低血糖2例(1.9%)、プラセボ群が高血糖2例(1.9%)でした。低血糖(症候性低血糖かつ/または血糖値70mg/dL未満)は、プラセボ群で1例(0.9%)、ツイミーグ群で2例(1.9%)に認められましたが、いずれも軽度でした。
本試験において、死亡および重篤な副作用は認められませんでした。治験薬の投与中止に至った副作用は、プラセボ群で2例に高血糖が、ツイミーグ群で1例に下痢および嘔吐が認められました。

体重に対する影響をみると、24週時の体重のベースラインからの変化量はプラセボ群 -0.29kg、ツイミーグ群-0.21kgでした。

まとめ

日本人の2型糖尿病は、軽度のインスリン抵抗性によって、インスリン分泌不全を生じるとされています。1)
ツイミーグは、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取り込み能改善)を有する既存の血糖降下薬とは異なる機序をもつ薬剤です。

1)Møller JB, et al. J Clin Endocrinol Metab 2014; 99: 4273

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