統合失調症患者を対象としたゼプリオンの2年間の長期使用における有効性・安全性及び有用性の評価(最終集計)

「禁忌を含む注意事項等情報」等は電⼦添⽂をご参照ください。

特定使用成績調査における社会機能及び就業率の変化(最終集計)
ゼプリオン水懸筋注25mg・50mg・75mg・100mg・150mg パリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液

目的
臨床使用実態下におけるゼプリオン®︎の就労状況、社会機能、症状への影響及び安全性を評価する〔2年間の特定使用成績調査(PMS)〕。
対象
ゼプリオン®︎が初めて投与された統合失調症患者
(安全性解析対象症例:1,306例、有効性解析対象症例:1,279例)
方法
臨床使用実態下における多施設共同、非介入、オープンラベルの前向き観察研究
本調査は、12ヵ月間の本調査と、12ヵ月間の追加調査(ゼプリオン®︎の継続及び有効性の調査)として実施し、対象患者にゼプリオン®︎を添付文書に従って投与した。
評価項目
・就労状況
・SOFAS(Social and Occupational Functioning Assessment Scale、社会的職業的機能評価尺度)
・CGI-SCH(Clinical Global Impression-Schizophrenia)
・安全性
解析計画
欠損値はLOCF法により補完した。
SOFASによる評価において、6ヵ月毎の評価の連続した2時点でSOFAS≧61であった場合を社会機能的寛解と定義した。
なお、ベースライン時点ではSOFAS≧61を社会機能的寛解と定義した。

Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44
[利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。

特定使用成績調査における社会機能及び就業率の変化
患者背景

Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44
[利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。

特定使用成績調査における社会機能及び就業率の変化
CGI-SCHの推移

対象患者全体におけるゼプリオン®︎治療開始12ヵ月後のCGI-SCHスコアは、いずれもベースライン時と比べ有意に低下した(いずれも名目上のp<0.001、両側t-test, vs. ベースライン)。

Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44
[利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。

特定使用成績調査における社会機能及び就業率の変化
投与状況

観察期間中の対象患者全体の治療継続率は49.4%であった。

Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44より作図
[利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。

特定使用成績調査における社会機能及び就業率の変化
社会機能的寛解例の割合(参考情報)

社会機能的寛解例の割合は、ゼプリオン®︎治療開始1年後で19.9%、2年後で20.0%であった。

*1 Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44より作図
  [利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。
*2 高橋三郎、大野裕、染矢俊幸(訳):DSM-Ⅳ-TR精神疾患の診断・統計マニュアル、医学書院、2004より改変

特定使用成績調査における社会機能及び就業率の変化
ゼプリオン治療開始後の就労状況の推移(参考情報)

ゼプリオン®︎治療開始1年後、2年後の就労率はベースライン時と比べ有意に増加した。

ゼプリオン®︎治療開始後の就労状況の推移は以下のとおりであった。

Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44より作図
[利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。

特定使用成績調査における社会機能及び就業率の変化
安全性

・有害事象は、29.26%に認められた。
・主な有害事象(発現率>0.5%)は以下のとおりであった。

Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44
[利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。

・重篤な有害事象は、130例に認められた。
・主な重篤な有害事象(発現例数>3例)は下表のとおりであった。
・死亡は13例(心血管イベント 4例、自殺既遂 3例、窒息 2例、脳出血、肝不全、交通事故、突然死 各1例)に認められた。

※投与中止に至った有害事象は104例で、そのうち主な有害事象は統合失調症11例、パーキンソニズム7例、注射部位疼痛7例であった。
安全性情報については電子添文をご参照ください。

Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44
[利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。

特定使用成績調査における社会機能及び就業率の変化
リミテーション

  • 本調査では対照群を設定しておらず、患者が利用可能なサポートシステムが地域により異なるなど、雇用状況に影響を与える因子がコントロールされていない。
  • 雇用状況の改善とゼプリオン®︎による治療の因果関係については不明である。
  • 約半数の患者が2年間の観察期間中に脱落した。
  • 本調査では欠損値の補完をLOCF法にて行ったが治療からの脱落が雇用や社会機能と関連する場合、今回の結果にバイアスが掛かっている可能性がある。

Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44
[利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。

特定使用成績調査における社会機能及び就業率の変化
結果のまとめ

  • 対象患者全体におけるゼプリオン®︎治療開始12ヵ月後のCGI-SCHスコアは、いずれもベースライン時と比べ有意に低下した(いずれもp<0.001、両側t-test, vs. ベースライン)。
  • 社会機能的寛解例の割合は、ゼプリオン®︎治療開始1年後で19.9%、2年後で20.0%であった。(参考情報)
  • 観察期間中の対象患者全体の治療継続率は49.4%であった。
  • 有害事象は、29.26%に認められた。主な有害事象(発現率>0.5%)は高プロラクチン血症 5.65%(74例)、体重増加3.51%(46例)、統合失調症2.52%(33例)、アカシジア 2.06%(27例)、不眠症、注射部位疼痛 各1.76%(23例)、錐体外路障害 1.60%(21例)、精神症状 1.45%(19例)、便秘1.30%(17例)、振戦 1.22%(16例)、注射部位硬結、パーキンソニズム 各0.84%(11例)、鎮静、ウイルス性上気道感染 各0.76%(10例)、糖尿病 0.69%(9例)、流涎過多0.61%(8例)、不安、幻覚 各0.53%(7例)であった。
  • 重篤な有害事象は、130例に認められた。主な重篤な有害事象(発現例数>3例)は統合失調症 32例、精神症状 12例、糖尿病 9例、高プロラクチン血症5例、眼球回転発作 4例、自殺既遂、幻聴、自殺企図、悪性症候群 各3例であった。
  • 死亡は13例(心血管イベント 4例、自殺既遂 3例、窒息 2例、脳出血、肝不全、交通事故、突然死 各1例)に認められた。

Ohnishi T, et al.:Innov Clin Neurosci. 2020; 17: 36–44
[利益相反]本論文の著者はすべてヤンセンファーマ株式会社の社員である。


国際共同臨床試験(アジア共同臨床第Ⅲ相試験 JPN-4)

国際共同臨床試験(アジア共同臨床第Ⅲ相試験 JPN-4)

国際共同臨床試験(アジア共同臨床第Ⅲ相試験 JPN-4)の結果はこちらからご確認ください。

ゼプリオン水懸筋注25mgシリンジ/水懸筋注50mgシリンジ/水懸筋注75mgシリンジ/水懸筋注100mgシリンジ/水懸筋注150mgシリンジの製品基本情報(適正使用情報など)