アムビゾームの糸状菌に対する作用<本田誠也MR>

2021年11月05日配信 4分18秒

「アムビゾームの糸状菌に対する作用」についてバーチャルMRの本田誠也がご紹介いたします。

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 各種抗真菌薬の作用機序について、お示しします。

 抗真菌薬は4系統に分類されます。
 ポリエン系のアムホテリシンBは、真菌細胞膜の必須の構成成分であるエルゴステロールに直接障害を与えて殺菌作用を発揮します。そのため、真菌の代謝活性にかかわらず、殺菌的な抗真菌作用を発揮することができます。
 アゾール系の薬剤は、エルゴステロールを合成する酵素を阻害することにより抗真菌活性を示します。
 キャンディン系は、細胞壁の合成酵素を阻害することにより抗真菌活性を示します。
 アムホテリシンBが、直接、真菌細胞に作用するのに対し、他の全ての薬剤は、一旦、細胞内に取り込まれて、合成経路を遮断する間接的な作用で抗真菌活性を発揮します。


 次に薬理学的特性と抗真菌活性についてお示しします。

 アムホテリシンBは真菌細胞膜を直接破壊することにより、3大真菌といわれるアスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカスをはじめ、酵母菌、糸状菌の多くの真菌に対して殺菌的に作用します。
 アゾール系抗真菌薬のフルコナゾールはカンジダに対して静菌的に作用します。
 また、ボリコナゾールは、アスペルギルスに殺菌的に作用しますが、カンジダには静菌的に作用します。
 キャンディン系抗真菌薬は、カンジダに殺菌的に作用しますが、アスペルギルスには静菌的に作用します。


菌糸への作用をお示しします。

アムビゾームは菌糸の代謝活性にかかわらず、菌糸の先端部だけでなく、菌糸の根元部分まで破壊する特性があります。
こちらの写真は、アムビゾームを作用させたアスペルギルスの菌糸を電子顕微鏡で捉えたものです。
先端部だけでなく、根元部分もつぶれているのが確認できます。


 続いてガイドラインでの位置付けをご紹介いたします。

 こちらはアスペルギルス症の診断・治療ガイドライン2015における侵襲性肺アスペルギルス症の経験的治療における推奨薬をお示しします。
 経験的治療の第一選択薬として、L-AMB、CPFG、MCFGの3薬剤が推奨されています。
 L-AMBとCPFGはA-Ⅰで、MCFGはA-Ⅱでの推奨になっています。


 侵襲性肺アスペルギルス症の標的治療における推奨薬をお示しします。

 VRCZとL-AMBの2薬剤がいずれもA-Ⅰで推奨されています。
 先ほどお示ししましたようにアスペルギルス症の診断・治療ガイドライン2015において侵襲性肺アスペルギルス症に対する経験的治療、標的治療ともにL-AMBはA-Ⅰ推奨されています。


 最後に、真菌感染早期治療においてアムビゾームが推奨されるケースをお示しします。

 広域抗菌薬投与後も発熱の持続と血清診断やCT所見などの真菌感染の所見がある場合はアムビゾームをご選択いただきたいと考えております。
 また、CT画像や血清診断から糸状菌感染が強く疑われる場合やムーコル症が否定できない場合にも、ムーコルのみならずアスペルギルスにも活性を有するアムビゾームをお役立て頂ければ幸いです。

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