リポソーマルアムホテリシンB投与患者に発現した急性腎障害からの回復と細胞外液補充液投与の関連性:日本における観察研究

当ページについて

2022年にRenal Failureに発表された日本の観察研究「リポソーマルアムホテリシンB投与患者の急性腎障害(AKI)からの回復と細胞外液補充液投与の関連性」を、バーチャルMRの本田誠也が紹介しています。
本研究は、診療データベースを用いた研究として、2008年から2018年に国内の345の施設において、初めてリポソーマルアムホテリシンB(アムビゾーム®)を投与され、急性腎障害(AKI)を発症した入院患者90人を対象に、AKIからの回復と細胞外液補充液による輸液管理の関連性を調べることを目的としています。

Tashiro, M., Nishino, T., Izumikawa, K. et al. Renal Failure. 2022;44(1):282-292.

2023年03月30日配信 8分38秒

2022年にRenal Failureに発表された日本の観察研究「リポソーマルアムホテリシンB投与患者の急性腎障害(AKI)からの回復と細胞外液補充液投与の関連性」についての紹介ページです。バーチャルMRの本田誠也が動画で紹介しています。

試験概要

目的

リポソーマルアムホテリシンB(L-AMB)を投与され、急性腎障害(AKI)を発現した患者において、AKIからの回復と細胞外液補充液による輸液管理の関連性について検討する。

試験デザイン

多施設共同後ろ向き観察研究
(メディカル・データ・ビジョン株式会社の診療データベースを用いた研究)

対象

2008年4月~2018年1月に国内345施設において、初めてL-AMBを投与され、AKIを発現した入院患者 90例

【主な除外基準】

・18歳未満の患者
・L-AMB 1日平均投与量>6mg/kg/日の患者
・体重および身長等の必要なデータが欠如していた患者
・L-AMB投与開始日または前に腎代替療法を施行された患者
・L-AMB投与開始前にすでにAKIを発現した患者

方法

メディカル・データ・ビジョン株式会社の電子医療情報診療データベースをもとに、AKIからの回復と細胞外液補充液による輸液管理の関連性について検討した。

AKIは、KDIGO診断基準に基づき、L-AMB投与後、7日以内に血清クレアチニン(sCr)値がベースライン時の1.5倍以上上昇、または2日以内にベースライン時からのsCr変化量(ΔsCr)が0.3mg/dL以上とした。

本研究における輸液は、生理食塩水やリンゲル液等の細胞外液補充液の体重あたり1日量とし、その他の輸液(3号液等)を除外した。

細胞外液補充液による輸液管理は、AKI発現から7日後まで、1日細胞外液補充液投与量≧10mL/kgで連続投与した場合を細胞外液補充液連日投与群、<10mL/kgで少なくとも1日投与した場合を細胞外液補充液非連日投与群とした。

観察期間は、AKI発現の翌日から、30日後、退院、死亡、またはL-AMB再投与の前日のいずれか早い時点までとした。
なお、AKIからの回復は、AKI発現前のsCr値への回復と定義した。

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日本の実臨床におけるリポソーマルアムホテリシンB投与患者に発現した急性腎障害の因子分析

Takazono, T., Nishino, T., Izumikawa, K. et al. Scientific Reports. 2020;10(1):15033. ​doi:10.1038/s41598-020-72135-y.

日本の実臨床におけるリポソーマルアムホテリシンB投与患者に発現した急性腎障害の因子分析<本田誠也MR>

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