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エクア:開発の経緯
開発の経緯
2型糖尿病治療薬のエクア錠(一般名:ビルダグリプチン)は、インクレチン[ 消化管ホルモン;グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1,GLP-1)など]の分解酵素であるジペプチジルペプチダーゼ-4(dipeptidyl peptidase-4,DPP-4)を選択的、かつ可逆的に阻害することにより血糖降下作用を示すDPP-4阻害薬です。
2型糖尿病の治療は、各種経口血糖降下薬の登場に伴い大きな進歩を遂げましたが、不十分な血糖コントロール、低血糖・体重増加などの副作用、膵島機能の低下など、今なお未解決の課題も多く残されています。
インクレチンは、血糖依存性のインスリン分泌促進作用及びグルカゴン分泌抑制作用を有し、GLP-1は非臨床試験において膵β細胞量増加作用も確認されています。
そのため、インクレチン作用を高めるDPP-4阻害薬は、従来治療の問題点を解決する可能性が期待されています。
エクア錠の有効成分であるビルダグリプチンは、1998年にスイスのノバルティスファーマ社で発見され、その後行われた効力を裏付ける非臨床試験では、糖尿病モデル動物で明確な血糖降下作用が認められました。
海外においては、2000年から臨床開発を開始し、有効性と安全性が確認されました。2020 年10 月現在、EU、韓国、シンガポールなど世界132 ヵ国で承認されています。
国内においては2001 年から臨床開発を開始し、11 の臨床試験(1101 試験、1102試験、1201 試験、1202 試験、1203 試験、1204 試験、1301 試験、1302 試験、1303 試験、1303E1 試験、1304 試験)において有効性・安全性が確認されたため、2008 年4 月に承認申請を行い、2010 年1 月に「2 型糖尿病 ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。①食事療法、運動療法のみ、②食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用」を効能・効果としてエクア錠50mgが製造承認されました。2010 年に厚生労働省より発出された「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に準拠して国内長期投与試験(1308 試験)の結果から、日本人2 型糖尿病患者に既存の経口血糖降下薬とエクア錠50mg を併用投与した場合の安全性と有効性が確認されたことから、効能追加申請を行い、2013 年2 月に効能・効果を「2 型糖尿病」として承認されました。
安全性情報の詳細については電子添文の副作用および臨床成績の安全性の結果をご参照ください。