エクアの臨床成績:ボグリボース単独投与に対するエクアの優越性検証試験(第Ⅲ相試験:実薬対照単独投与試験)


「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については電子添文をご参照ください。

主要評価項目:HbA1c

エクア50mg1日2回群における12週時までのHbA1cの推移は下図のとおりでした。最終評価時、HbA1cのベースラインからの変化量は両群間に有意差が示され(p<0.001、ベースライン値を共変量としたANCOVAモデル)、ボグリボース0.2mg1日3回投与に対するエクア50mg1日2回投与の優越性が検証されました。

臨床成績

副次評価項目:食後血糖1時間値・食後血糖2時間値

食後血糖1時間値のベースラインからの変化量は、エクア50mg1日2回群では-52.9mg/dL、ボグリボース0.2mg1日3回群では-47.6mg/dLでした。食後血糖2時間値のベースラインからの変化量は、エクア50mg1日2回群では-51.5mg/dL、ボグリボース0.2mg1日3回群では-19.8mg/dLで、両群間に有意差が示されました(p<0.001、ベースライン値を共変量としたANCOVAモデル)。

臨床成績

安全性

副作用の発現率は、エクア50mg1日2回群25.0%(47/188例)、ボグリボース0.2mg1日3回群40.6%(78/192例)でした(以下同順)。比較的よくみられた副作用は、便秘[5.3%(10例)、5.7%(11例)]、鼓腸[3.2%(6例)、12.0%(23例)]、空腹[2.7%(5例)、1.6%(3例)]、腹部膨満[2.1%(4例)、6.8%(13例)]でした。なお、本試験において重篤な有害事象が9例10件[エクア50mg1日2回群1件(脳室腹腔シャント閉塞)、ボグリボース0.2mg1日3回群9件(結腸ポリープ、手骨折、肋骨骨折、失神、喘息、脳梗塞、治験薬投与終了後のインスリン治療のための入院、肺結核、尿道結石各1件)](以下同順)、投与中止に至った有害事象が8例10件[5件(便秘、薬疹、湿疹、イレウス、そう痒症各1件)、5件(喘息、糖尿病、下痢、手骨折、肋骨骨折各1件)で報告されましたが、死亡は報告されませんでした。

試験概要開く

【目的】 2型糖尿病患者にエクア又はボグリボースを12週間投与し、ボグリボースに対するエクアの優越性を検証する。
【対象】 食事療法又は食事療法・運動療法で血糖コントロールが十分に得られていない日本人2型糖尿病患者380例(ベースラインHbA1c※6.9~10.5%)
【試験デザイン】 多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬対照、並行群間比較試験
【方法】 エクア50mg1日2回群(n=188)又はボグリボース0.2mg1日3回群(n=192)に無作為に割り付け、12週間投与した。ベースライン及び12週時に食事負荷試験を実施した。
【主要評価項目】 HbA1c
【副次評価項目】 空腹時血糖値、空腹時インスリン、空腹時C-ペプチド、空腹時脂質(トリグリセリド、総コレステロール、LDL-コレステロール、HDL-コレステロール、VLDL、non-HDL-コレステロール、遊離脂肪酸)、HOMA-β、HOMA-R、体重、食事負荷試験の評価項目(食後血糖1時間値、食後血糖2時間値、食後インスリン1時間値、及び食後インスリン2時間値)
【解析計画】 主要評価項目であるHbA1cのベースラインからの変化量について、ボグリボースに対するエクアの優越性を検証した。また、主要評価項目について、HbA1c、BMI、年齢、性別、地域カテゴリーによるサブグループ解析を実施した。なお、欠測値はLOCF法を用いて補填した。
HbA1cは0、2、4、8、12週時に測定を行った。

  • Iwamoto Y, et al:Diabetes Obes Metab 12(8), 700-708, 2010[承認時評価資料(第Ⅲ相試験:実薬対照単独投与試験)]
  • 【利益相反】寺尾新司、三森信幸、鈴木学、立花英夫はノバルティスの社員です。/本研究に、ノバルティスは資金の提供を行いました。

10. 相互作用(抜粋)

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等: 血糖降下作用を増強する薬剤:糖尿病用剤(スルホニルアミド系及びスルホニルウレア系薬剤、ビグアナイド系薬剤、インスリン製剤、チアゾリジン系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、イメグリミン等)、β-遮断剤、サリチル酸剤、MAO阻害剤、フィブラート系薬剤等[11.1.3参照]

臨床症状・措置方法: 低血糖症状が起こるおそれがある。血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること。

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