国際共同第3相試験(ELEVATE試験/BP-P3-J001試験):検証的試験
双極Ⅰ型障害の大うつ病エピソードを有する患者を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験


試験概要

目的

  • ラツーダ20-60mg/日又は80-120mg/日を単剤投与したときの双極Ⅰ型障害のうつ症状に対する有効性を、6週時のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量を評価することにより、プラセボに対する優越性を検証する。

対象

  • 双極Ⅰ型障害患者(大うつ病エピソード)525例(プラセボ群172例、ラツーダ20-60mg群184例、ラツーダ80-120mg群169例)

試験デザイン

  • 多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化、並行群間比較試験

方法

  • プラセボ、ラツーダ20-60mg又は80-120mgを1日1回、夕食後30分以内に6週間経口投与した(漸増漸減)。なお、初回投与は20mg/日とし、ラツーダ20-60mg群のDay 1〜7にはラツーダの用量を20mg/日に固定した。ラツーダ80-120mg群のラツーダの用量はDay 1及び2に20mg/日、Day 3及び4に40mg/日、Day 5及び6に60mg/日とし、Day 7は80mg/日とした。Day 8以降には両群とも規定範囲内でラツーダ用量の増減を可能とした。
方法

6. 用法及び用量(一部抜粋)
〈双極性障害におけるうつ症状の改善〉
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として20〜60mgを1日1回食後経口投与する。なお、開始用量は20mg、増量幅は1日量として20mgとし、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は60mgを超えないこと。

有効性評価項目〔主要評価項目〕

  • 6週時のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量

有効性評価項目〔副次評価項目〕

  • 各評価時点のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量
  • 6週時及び各評価時点のCGI-BP-S(depression)スコアのベースラインからの変化量
  • 6週時のSDS合計スコアのベースラインからの変化量
  • 6週時及び各評価時点のYMRS合計スコアのベースラインからの変化量
  • 6週時のHAM-A合計スコアのベースラインからの変化量
  • 6週時の反応率(MADRS合計スコアがベースラインから50%以上低下した患者の割合)
  • 6週時の寛解率(MADRS合計スコアが12以下となった患者の割合) など

※:承認審査の過程で「安全性」として評価された。

安全性評価項目

  • 有害事象及び副作用の発現頻度
  • 最終評価時のDIEPSS合計スコア(概括重症度を除く)のベースラインからの変化量
  • 最終評価時の血清プロラクチン濃度のベースラインからの変化量
  • 最終評価時の空腹時血糖、HbA1c(NGSP)、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール及びトリグリセリドのベースラインからの変化量
  • 最終評価時の体重のベースラインからの変化量 など

解析計画

  • 有効性の主たる解析対象集団はITT集団であり、無作為化され、少なくとも1回治験薬を投与された、ベースライン及び少なくとも1つのベースライン後の評価可能なMADRS合計スコアがあるすべての患者とした。
  • 有効性の主要評価項目(6週時のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量)は治療群、評価時期、実施医療機関、MADRS合計スコアのベースライン値、及び治療群と評価時期の交互作用を含むMMRM法を用いて解析した。
  • 検定の多重性はHochberg法で調整した(有効性の主要な解析のみ)。
  • CGI-BP-S(depression)スコア及びYMRS合計スコアのベースラインからの変化量は、主要評価項目と同様のMMRM法を用いて解析した。
  • SDS合計スコア、SDSサブスコア及びHAM-A合計スコアの最終評価時(LOCF)のベースラインからの変化量は治療群、実施医療機関及びベースライン値を共変量とするANCOVA法で解析した。
  • 最終評価時(LOCF)に治療効果(反応)又は症状の寛解が認められた患者の割合をLogistic regressionでそれぞれ評価した。治療必要数(NNT)は1/[ラツーダ20-60mg群の反応率(寛解率)ープラセボ群の反応率(寛解率)]とした。
  • 安全性解析対象集団は無作為化され、少なくとも1回治験薬を投与されたすべての患者とした。DIEPSSは合計スコア(概括重症度を除く)のベースラインからの変化量をMMRM法で解析した。

 
 
社内資料:双極Ⅰ型障害の大うつ病エピソードを有する患者を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(ELEVATE試験)【承認時評価資料】