国際共同第3相試験(JEWEL試験/P3-J066試験):検証的試験
急性増悪期の統合失調症患者を対象とした検証的試験


本試験は承認外用法の成績が含まれるデータですが、本試験の結果も評価され、承認されたため掲載いたします。

試験概要

目的

  • 急性増悪期の統合失調症患者にラツーダ40mg/日を投与したときの有効性を、6週時のPANSS合計スコアのベースラインからの変化量を指標として、プラセボと比較し、優越性を検証する。

対象

  • 急性増悪期の統合失調症患者483例(プラセボ群236例、ラツーダ40mg群247例)

試験デザイン

  • 多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化、並行群間比較試験

方法

  • プラセボ群又はラツーダ40mg群に患者を1:1で無作為化し、二重盲検下で治験薬を1日1回、夕食時又は夕食後30分以内に6週間経口投与した。

    ※:本邦での承認用法は食後経口投与

    方法

6. 用法及び用量(一部抜粋)
〈統合失調症〉
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として40mgを1日1回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は80mgを超えないこと。

有効性評価項目〔主要評価項目〕

  • 6週時のPANSS合計スコアのベースラインからの変化量

有効性評価項目〔副次評価項目〕

  • 1、2、3、4及び5週時のPANSS合計スコアのベースラインからの変化量
  • 各来院時のCGI-Sスコアのベースラインからの変化量
  • 各来院時のPANSSサブスケール別スコアのベースラインからの変化量
  • 各来院時のPANSS 5因子モデル別スコアのベースラインからの変化量
  • 6週時(LOCF)でPANSS合計スコアがベースラインから20%以上改善(追加で6週時のPANSS合計スコアがベースラインから30%、40%、50%以上改善)した患者の割合 など

安全性評価項目

  • 有害事象又は治験薬投与に関連した有害事象の発現頻度
  • 重篤な有害事象及び治験薬の投与中止に至った有害事象の発現頻度
  • 血糖コントロール、脂質関連の項目を含む臨床検査値、体重、ウエスト周囲径及びBMIのベースラインからの変化量
  • 各来院時のDIEPSS合計スコア(概括重症度を除く)のベースラインからの変化量 など

解析計画

  • 有効性の主たる解析対象集団はITT集団であり、無作為化された患者のうち、二重盲検治療期に少なくとも1回治験薬を投与され、かつベースライン及び少なくとも1つのベースライン後のPANSS合計スコアがある患者とした。
  • 有効性の主要評価項目である6週時のPANSS合計スコアのベースラインからの変化量は、併合した実施医療機関、評価時期、治療群、治療群と評価時期の交互作用及び、ベースラインのPANSS合計スコアを共変量とする反復測定のための混合モデル(MMRM)法を用いて解析した。
  • 有効性の副次評価項目は、主要評価項目と同様の手法で解析した。
  • 治療必要数(NNT)は1/(ラツーダ40mg群のPANSS responderの割合−プラセボ群のPANSS responderの割合)とした。
  • 安全性解析対象集団は無作為化され二重盲検治療期に少なくとも1回治験薬を投与された患者とした。

 
 
社内資料:急性増悪期の統合失調症患者を対象としたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(JEWEL試験)【承認時評価資料】