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ロナセンテープクイズ 第3回
精神科領域における貼付剤のメリットとデメリット
クイズ1
経皮吸収型製剤は、連続投与の定常状態では安定した血中濃度推移を示すため、症状の安定化と副作用の軽減が期待できる。
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○
-
×
正解は 1.○
<解説>
経皮吸収型製剤は薬物が持続的に皮膚から吸収され続けるため、血中濃度推移の変動が小さく、長時間、有効血中濃度を維持できる特徴あります。
そのため、薬物血中濃度が副作用発現領域の下限を超えないことからEPSなどの副作用軽減が期待できます。
また、薬物無効領域まで血中濃度が下がらず、有効血中濃度を維持できるので安定した効果が期待できます。
よって貼付剤は、症状の変動がある患者さんや、EPSなどの副作用で困っている患者さんに適している可能性があります。
クイズ2
貼付剤や経皮吸収型製剤は食事の状況による薬物血中濃度の差はないと考えられる。
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○
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×
正解は 1.○
<解説>
貼付剤や経皮吸収型製剤は、皮膚から薬物が吸収されるため、食事の影響を受けません。
また、経皮吸収型製剤は消化管や肝臓の代謝酵素によって「初回通過効果」を受けずに全身血行へ移行し、脳内へ到達します。
そのため、錠剤と比べて薬物のバイオアベイラビリティを高められるという利点もあります。
急性期治療では、患者さんの食事の状況を確認することが困難なことも多くあるかと思います。
貼付剤や経皮吸収型製剤であれば食事の状況による薬物血中濃度の差はないと考えられるため、急性期治療の有用な剤形選択肢であると考えています。
また、食生活が不安定な維持期の患者さんにもお役立ていただけます。
クイズ3
貼付剤や経皮吸収型製剤のメリットとして、以下の選択肢で最も正しいのはどれでしょうか?
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注射剤と比べて侵襲性が低い
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副作用発現時などはすぐに剥がして投与中止できる
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服薬アドヒアランスを目視で確認することができる
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上記すべて
正解は 4.上記すべて
<解説>
貼付剤は注射剤と比べ非侵襲的であり、当事者の意思で剥がして投与中止でき、目視することで服薬アドヒアランスを確認できることから、患者さんご本人だけでなく支援者の安心感につながると考えられます。