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慢性肝疾患に伴うそう痒症の現状
このページのまとめ
日本における肝炎の未治療者数は、B型が110万人、C型が90万人と推定されており、そう痒症を有する患者さんは少なくないと考えられます。
肝炎患者さんの約4人に1人にあたる22.4%がかゆみを訴えています。
肝炎、肝硬変、原発性胆汁性胆管炎(Primary biliary cholangitis:PBC)といった慢性肝疾患においては、抗ヒスタミン薬などの既存治療薬が奏効しない「難治性のそう痒症」を有する患者さんがいることが知られています。
「難治性のそう痒症」の患者さんは、耐え難いかゆみに1日中悩まされている状況にあり、その治療にも難渋するため、精神的・肉体的苦痛を常に感じQOLが著しく低下した状態にあります。
ここでは患者アンケートを中心に「慢性肝疾患のかゆみの現状」についてご紹介します。
慢性肝疾患におけるそう痒症の発現率
PBCやB型肝炎、C型肝炎、肝硬変などの慢性肝疾患患者さんにおいて、そう痒症は2.5~69%にみられると報告されていますが、客観的なかゆみの評価が難しいことから、原疾患や調査ごとで発現率は大きく異なり、明確な数値は明らかになっていません。
しかし、日本における肝炎受療者数は、B型が19万人、C型が30万人1)、また未治療者数は少なくともB型が110万人、C型が90万人と推定されており2)、そう痒症を有する患者さんは少なくないと考えられます。
慢性肝疾患患者さんの生活状況
日本肝臓病患者団体協議会が実施した「肝炎患者の生活実態と意見」のアンケート調査3)によると、「身体がだるい」(25.5%)、「体力が弱ってきている」(22.9%)に次いで、「皮膚がかゆい」という意見が22.4%を占め、肝炎患者さんの約4人に1人がかゆみを訴えている実態が明らかになっています。
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令和元年度 厚生労働科学研究費補助金 肝炎等克服政策研究事業 報告書(田中班)
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令和2年度 厚生労働科学研究費補助金 肝炎等克服政策研究事業 報告書(田中班)
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日本肝臓病患者団体協議会:「肝臓のなかま」号外:3969,2012