作用機序

本剤は、血糖依存性インスリン分泌促進系の薬剤に分類されるDPP-4阻害薬であるビルダグリプチンと、インスリン分泌非促進系に分類されるビグアナイド薬であるメトホルミン塩酸塩の配合剤です。「日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2022-2023, p59-69, 文光堂,2022より」
ビルダグリプチンは、DPP-4を選択的かつ可逆的に阻害し、内因性GLP-1の濃度を高めることで、血糖依存性にインスリン分泌を促進させるとともにグルカゴン分泌を抑制し、血糖降下作用を発揮します。
メトホルミン塩酸塩は、主として肝臓における糖新生を抑制し、膵β細胞のインスリン分泌を介することなく血糖低下作用を発揮します。また、末梢での糖の取り込み、糖の利用の促進、腸管からの糖質の吸収抑制などの作用も知られています。一方で、2型糖尿病患者にメトホルミンを投与することにより、糖負荷後の血漿中GLP-1濃度が上昇することが報告されているだけでなく、メトホルミンによる血漿中GLP-1濃度の上昇は、小腸上皮細胞からのGLP-1分泌促進および血中でのGLP-1分解抑制によることが示唆されています※。GLP-1濃度が上昇するメカニズムとして、メトホルミンは腸でプレプログルカゴン遺伝子の発現を増強することが報告されています※。

※:参考情報

作用機序

参考文献

  • 1) ノバルティス ファーマ社内資料:各種DPPに対する阻害作用の検討(1)
  • 2) ノバルティス ファーマ社内資料:各種DPPに対する阻害作用の検討(2)
  • 3) ノバルティス ファーマ社内資料:DPP-4に対する阻害様式の検討
  • 4) Ahren B: Best Pract Res Clin Endocrinol Metab 21(4), 517-533, 2007
  • 5) Mannucci E, et al: Diabetes Nutr Metab 17(6), 336-342, 2004
  • 6) Lee AJ: Pharmacotherapy 16(3), 327-351, 1996
  • 7) Pernicova I, et al: Nat Rev Endocrinol 10(3), 143-156, 2014
  • 関連情報

    糖尿病/エクメットについてもっと知る