エクメットの臨床成績:メトホルミン単独投与に対するビルダグリプチン追加併用の優越性検証試験(第Ⅲ相試験:1301試験)


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生物学的同等性試験において、エクメット®配合錠LDはビルダグリプチン50mgとメトホルミン250mgとの併用投与、エクメット®配合錠HDはビルダグリプチン50mgとメトホルミン500mgとの併用投与と、生物学的に同等であることが確認されています。

主要評価項目:HbA1cのベースラインからの変化量[検証的な解析結果]

メトホルミン+ビルダグリプチン50mg1日2回群では投与4週時からHbA1cの低下が示されました。最終評価時、HbA1cのベースラインからの変化量は両群間に有意差が示され(p<0.001、ベースライン値を共変量としたANCOVAモデル)、メトホルミン単独投与に対するメトホルミン+ビルダグリプチン併用投与の優越性が検証されました。

臨床成績

安全性

副作用の発現率は、メトホルミン+ビルダグリプチン50mg1日2回群16.2%(11/68例)、メトホルミン+プラセボ1日2回群10.0%(7/70例)でした(以下同順)。比較的よくみられた副作用(いずれかの群で発現率2%以上)は、アミラーゼ増加[4.4%(3例)、0%]、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加[0%、2.9%(2例)]、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加[0%、2.9%(2例)]でした。なお、本試験において重篤な有害事象が1例1件[0件、1件(急性心筋梗塞)]、投与中止に至った有害事象が3例3件[1件(便秘)、2件(急性心筋梗塞、弾発指各1件)]に報告されましたが、死亡は報告されませんでした。

副作用

試験概要開く

【目的】 メトホルミン単独投与で効果不十分な2型糖尿病患者において、メトホルミン単独投与に対するメトホルミンへのビルダグリプチン追加併用投与の優越性を検証する。
【対象】 メトホルミン250mgまたは500mg1日2回単独投与で効果不十分な日本人2型糖尿病患者139例(ベースラインHbA1c 7.0~10.0%)
【試験デザイン】 多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
【方法】 メトホルミン+ビルダグリプチン50mg1日2回群(n=69)またはメトホルミン+プラセボ1日2回群(n=70)に無作為に割り付け、12週間投与した。試験期間を通して、メトホルミンの用法・用量は一定とした。
【主要評価項目】 HbA1cのベースラインからの変化量
【副次評価項目】 HbA1cのベースラインからの変化量(メトホルミン用量別)、レスポンダー率、空腹時血糖値のベースラインからの変化量
【安全性評価項目】 有害事象、血液学的検査、血液生化学的検査、尿検査、バイタルサイン、体重、心電図
【解析計画】 主要評価項目であるHbA1cのベースラインからの変化量について、メトホルミン単独(メトホルミン+プラセボ併用)投与に対するメトホルミン+ビルダグリプチン併用投与の優越性を検証した。副次評価項目のうち、メトホルミン用量別のHbA1cのベースラインからの変化量について検定を行った。上記について、閉手順による階層的な検定方法を用いた。また、主要評価項目について、HbA1c、BMI、年齢、性別、空腹時血糖値カテゴリーによるサブグループ解析を実施した。なお、最終評価時の欠測値はLOCF法を用いて補填した。
HbA1cおよび空腹時血糖値は、0、4、8、12週時に測定を行った。体重は、評価時点ごとの測定値およびベースラインからの変化量の要約統計量を算出した。

  • ノバルティス ファーマ社内資料:メトホルミン塩酸塩で効果不十分な2型糖尿病患者を対象とした臨床試験(LMF237A1301)[承認時評価資料(第Ⅲ相試験)]
  • Odawara M, et al: Diabetes Ther 5(1), 169-181,2014[承認時評価資料(第Ⅲ相試験)]
  • 【利益相反】 浜田泉、鈴木学は、ノバルティスの社員です。小田原雅人先生に、ノバルティスは顧問料をお支払しています。本研究に、ノバルティスは資金の提供を行いました。

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