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【第2回】薬局薬剤師が地域で活躍するアクションプラン
赤池 昭紀氏和歌山県立医科大学薬学部教授、京都大学名誉教授
超高齢社会の進展に伴う社会構造の変化により、地域の保健・医療への薬局の参画が強く求められています。2015年(平成27年)に厚生労働省で「患者のための薬局ビジョン」がとりまとめられ、2025年(令和7年)までに全ての薬局が「かかりつけ薬局」になることが目標に掲げられました。このような目標設定を受け、「患者のための薬局ビジョン実現のためのアクションプラン検討会」において、対物業務から対人業務にシフトするための薬局の評価指標が検討され、かかりつけ薬局の果たすべき機能として、服薬情報の一元的・継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導、24時間対応・在宅対応による地域医療への参画が重要と位置づけられました。
その後、厚生労働省の医薬品医療機器制度部会において医薬分業のあり方が検討され、服薬期間を通じた状況の把握による継続的な薬学的管理(薬剤使用期間中の患者フォローアップ)が義務化されました。2021年(令和3年)には、厚生労働省で「薬剤師の養成及び資質向上に関する検討会」が開催され、今後の薬局のあるべき姿として、対物中心の業務から、患者・住民との関わりの度合いの高い対人業務へとシフトすることが求められました。薬物療法や健康維持・増進の支援に一層関わり、患者・住民を支えていくことが、薬局薬剤師の重要な役割とされました。
さらに、厚生労働省に「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」が設置され、対人業務の更なる充実、医療情報の利活用推進に向けたICT化への対応、地域における役割の3つの観点から薬局薬剤師の業務が検討されました。具体的な対応策として、対人業務の充実、対物業務の効率化、薬局薬剤師DX、地域における薬剤師の役割の4つのアクションプランが策定されました(図)。
「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」のとりまとめの概要
最近の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療のオンライン化への対応など、医療DXが進む中で、薬局DXの推進による対物業務の効率化と対人業務の更なる充実が重要なキーワードとして検討されるとともに、地域における薬局薬剤師の役割についても見直されました。
今後、高齢者を中心とした医療ニーズの極大化が見込まれる中、薬局DXや他職種間連携等の推進により薬局の質を高め、薬局が地域包括ケアシステムを支える中核として患者や住民に対して質の高い医療サービスを提供することが期待されます。