<安全性>急性期統合失調症治療におけるロナセンテープの有効性と安全性:国際共同第3相試験(検証的試験)


社内資料:国際共同第3相試験【承認時評価資料】、Iwata N. et al.:Schizophr. Res., 215:408, 2020
本研究は大日本住友製薬株式会社(現:住友ファーマ株式会社)の資金により行われた。また、本論文の著者のうち4名は同社の社員である。
また著者に大日本住友製薬株式会社(現:住友ファーマ株式会社)より講演料、原稿料を受領しているものが含まれる。

二重盲検治療期における有害事象

  • 本試験において有害事象の発現率は、プラセボ群で60.0%、40mg群で62.8%、80mg群で67.0%でした
  • 重篤な有害事象は、プラセボ群で4.7%、40mg群で4.1%、80mg群で5.2%でした
  • 錐体外路症状は、プラセボ群で7.9%、40mg群で10.7%、80mg群で20.6%に認められ、中等度以上ではそれぞれ2.1%、1.5%、5.7%でした
  • 適用部位関連の有害事象は、プラセボ群で4.2%、40mg群で13.3%、80mg群で18.6%に認められ、中等度以上ではそれぞれ0%、1.0%、0.5%でした

主な有害事象
(MedDRA基本語、40mg群または80mg群で5%以上に発現した事象)

  • 本試験において実薬のいずれかの群で5%以上に発現した有害事象は、適用部位の皮膚症状、アカシジア、振戦、不眠症、統合失調症でした

適用部位関連有害事象の重症度と初発時期(全体で5%以上に発現した事象)

  • 本試験の適用部位関連の有害事象において、主なものは紅斑とそう痒感であり、重症度別の例数は以下のとおりでした
  • 適用部位関連有害事象は貼付開始初期に初回発現し、貼付量に依存して発現割合が高くなりました

6週時における代謝パラメーターおよびプロラクチンの平均変化量(LOCF)

  • 本試験において6週時における体重、代謝パラメーターおよびプロラクチンは表のとおりでした

QT延長評価

  • 本試験におけるQT延長の評価(指標となる項目;Bazett、Fridericia)は表のとおりでした

副作用 二重盲検治療期

  • 臨床検査値異常を含む副作用発現割合は、プラセボ群30.5%(58/190例)、40mg群35.2%(69/196例)、80mg群42.3%(82/194例)でした。主な副作用はプラセボ群では体重増加2.6%(5/190例)、傾眠2.1%(4例)、40mg群ではアカシジア5.6%(11/196例)、適用部位そう痒感5.1%(10例)、適用部位紅斑4.6%(9例)、振戦3.1%(6例)、80mg群ではアカシジア9.3%(18/194例)、適用部位紅斑8.8%(17例)、振戦7.7%(15例)、適用部位そう痒感7.2%(14例)などでした
  • 錐体外路系副作用の発現割合は、プラセボ群5.3%(10例)、40mg群8.7%(17例)、80mg群19.1%(37例)でした。また、貼付箇所の皮膚関連副作用の発現割合は、プラセボ群3.7%(7例)、40mg群12.2%(24例)、80mg群18.0%(35例)でした
  • 死亡を含む重篤な有害事象は、プラセボ群9例(4.7%)、40mg群8例(4.1%)、80mg群10例(5.2%)に発現しました。そのうち、80mg群の1例は急性心筋梗塞により死亡に至りましたが、試験薬との因果関係は否定されました。重篤な副作用は、プラセボ群ではカタトニー1例および意識消失1例、40mg群では統合失調症2例、全身性強直性間代性発作1例、精神病性障害1例および精神症状1例、80mg群では統合失調症2例および自殺企図1例でした。投与中止に至った有害事象は、プラセボ群17例(8.9%)、40mg群16例(8.2%)、80mg群11例(5.7%)に認められ、2例以上に認められた事象は、プラセボ群では統合失調症11例、精神病性障害3例、40mg群では精神病性障害7例、統合失調症6例、80mg群では精神病性障害および統合失調症が各2例でした

貼付箇所の皮膚刺激性評価(期間中最も悪いスコア)

  • 本試験の二重盲験治療期中、貼付箇所の皮膚刺激性評価(期間中最も悪いスコア)が「軽度の紅斑」であった患者の割合はプラセボ群12.2%(23/189例)、40mg群11.7%(23/196例)、80mg群13.0%(25/193例)であり、「紅斑」はプラセボ群4.2%(8例)、40mg群8.7%(17例)、80mg群14.5%(28例)でした
  • 「紅斑+浮腫」または「紅斑+浮腫+丘疹、漿液性丘疹、小水疱」はいずれの群も2%未満でした

ロナセンテープ20mg/テープ30mg/テープ40mgの製品基本情報(適正使用情報など)