監修:池田 学 先生
大阪大学大学院医学系研究科 情報統合医学講座 精神医学 教授
レビー小体型認知症の多彩な症状
レビー小体型認知症では認知機能障害に加えて
パーキンソニズム、認知症の行動・心理症状(BPSD)、自律神経障害を併存します。
日本神経学会 監修. 認知症疾患診療ガイドライン2017(医学書院)を一部改変
レビー小体型認知症の前駆症状
レビー小体型認知症では前駆症状として
便秘、嗅覚障害、抑うつ症状、レム期睡眠行動異常などが現れます。
Probable DLB 90症例の臨床経過
Copyright 2013 John Wiley and Sons. Used with permission from Fujishiro H et al, Dementia with Lewy bodies:
early diagnostic challenges, Psychogeriatrics, John Wiley and Sons.
- 方法
- probable DLBの臨床診断基準を満たす90例(調査時の平均年齢:79.3歳、MMSEの平均値:17.8点)において、後方視的に各臨床症状の出現時期について調査した。記憶障害の発現時期(平均年齢:74.9歳)と比較した調査時における各症状の頻度と発現までの平均期間を示した。
DLB : レビー小体型認知症
Fujishiro H et al. Psychogeriatrics 2013; 13(2): 128-138を一部改変
レビー小体型認知症 早期診断のポイント
-
特有な幻視がみられたら
人や動物が見えるケースが多いとされています。
- パーキンソニズムがみられたら
- レム期睡眠行動異常(大声の寝言、睡眠中の激しい体動)がみられたら
- うつ状態の高齢者に幻視やパーキンソニズム等が目立ってきたら
- 自律神経症状がみられたら
- 嗅覚障害がみられたら
-
抗精神病薬※への過敏性がみられたら
レビー小体型認知症では抗精神病薬※の使用により症状が悪化することがあります。
- ※
レビー小体型認知症に対して承認されていない
小阪憲司 編. レビー小体型認知症の診断と治療 臨床医のためのオールカラー実践ガイド(harunosora)を一部改変