糖尿病への薬剤師の介入

慢性疾患への介入、とりわけ糖尿病患者への介入は、薬局薬剤師にとって積極的に取り組むべき事案のひとつです。外来患者のかかりつけ薬剤師としての役割、在宅医療への取り組みなど、様々な角度から糖尿病患者への介入を行なっている事例を、指導者の立場から、そして現場の立場からに分けてご紹介します。
[※掲載から3年を目途に順次掲載を終了させていただいております。]

Vol.17 現場の立場から(14)主治医の治療方針と糖尿病治療ガイドラインに沿って分かりやすい言葉でアドバイス

江田 一樹 氏

しんわ薬局立川店はJR立川駅東口から歩いて8分ほどの複数医療機関に囲まれた地域に位置し、近隣には同店を含め4薬局が開設されています。同店で応需する処方箋の約7割は立川相互ふれあいクリニックで、糖尿病代謝内科やリウマチなど専門性の高い多様な診療を行っています。また、全処方箋のうち約25%に糖尿病関連の処方が含まれています。立川市の「糖尿病性腎症の重症化予防プログラム」に参画している江田氏の取り組みついて伺いました。

Vol.16 現場の立場から(13)患者さんの性格・行動変容モデルを組み合わせ、個々のニーズを汲み取って支援する

黒田 泰司 氏

「薬局を通じて地域医療に貢献する」をテーマに、まこと薬局を経営する黒田泰司氏は、患者さんの行動変容を促し、自身で問題を解決していくエンパワーメントアプローチを大切にしています。来局時から患者さんを観察し、5段階の行動変容モデルと性格タイプ別モデルとを組み合わせることで、個々の患者さんの「ニーズ」を汲み取った支援をしています。患者さんとともに、その目的に向かう「伴走者」として取り組みについて伺いました。

Vol.15 指導者の立場から(3)他職種と役割分担し専門性を発揮することが「改善」に結びつく

亀井 美和子 氏

日本薬剤師会の常務理事でもある亀井美和子氏は、薬剤師業務が社会にどう役に立っているのかをテーマに、長年研究に取り組んでこられました。そして「重要なことは薬剤師、他職種がどのように関わるか」だと指摘します。多くのフィールド研究に携わってきた経験、欧米の薬局・薬剤師に関する多くの知見を踏まえ、アカデミアの立場から薬局・薬剤師による糖尿病患者介入の在り方についてお話しいただきました。

Vol.14 現場の立場から(12)地域薬局が協力して、糖尿病など生活習慣病患者の行動変容・重症化予防を支援

光谷 良太 氏

新潟県佐渡市では、中核を担う佐渡総合病院を中心に、2012年4月に島内の医療機関・保険薬局・介護施設を双方向で結ぶ地域医療連携ネットワーク「さどひまわりネット」が稼働しました。現在、人口約5万人のうち約3割、高齢者に限ると約6割が、同ネットによる医療等情報共有に同意し、地域医療を支える上で重要な連携ツールになっています。同ネットを介して多職種連携を進める光谷氏にお話を伺いました。

Vol.13 現場の立場から(11)患者ごとに他職種と協働して、個々の“生活に応じた薬物療法”を支援・指導

山﨑 徹 氏

在宅医療に特化した保険薬局「薬局ニコニコ」では、特に地域密着型の “個人在宅”を中心に業務展開を進めています。患者さんが家族や友人らが居る地域で在宅生活を続けられるよう、主治医、訪問看護師、ケアマネージャー、ヘルパーなど多様な職種と連携・情報共有しながら支援しています。長年、大手調剤薬局に勤め、管理・指導部門のポジションから一転、新たな“現場”に飛び込んだ山﨑氏の取り組みをうかがいました。

Vol.12 現場の立場から(10)地域医療支援病院の「糖尿病連携パス」を支援する薬剤師ネットワークを立ち上げ患者支援

山本 隼也 氏(左)/北尾 美帆 氏(右)

総合メディカル株式会社そうごう薬局6店舗では、福岡県小郡市にある地域医療支援病院の社会医療法人シマダ 嶋田病院(以下、嶋田病院)を中心にした「小郡循環型糖尿病連携パス」に参加しています。今回は、連携パスの運用を支援する薬剤師のネットワーク「小郡七夕薬薬ネットワーク」の中心を担っている山本氏と北尾氏が、嶋田病院や地域診療所等の関係職種との連携のなかで、糖尿病患者さんをいかに支援、フォローアップしているのかを伺いました。

Vol.11 現場の立場から(9)高齢者の個別性に応じた重症化予防の指導と積極的な処方提案を実践

岡本 怜也 氏

クオール薬局あさひ店では、地域の高齢化率が高いこともあり、糖尿病と関係が深いフレイルに着目し、店内に手作りの「フレイルチェックコーナー」を設置しています。管理薬剤師の岡本氏は京都府の糖尿病療養指導士を取得し、血糖値など検査データの変遷を踏まえ、個別に食事と運動指導による生活改善にも介入し、患者さんとともに糖尿病重症化予防に取り組んでいます。岡本氏が取り組む重症化予防を中心にお話を伺いました。

Vol.10 指導者の立場から(2)次回診察前に血糖値等のモニタリング結果を医師に情報提供

篠原 久仁子 氏

フローラファーマシーグループでは、糖尿病患者さんのフォローアップにICTを積極的に活用しています。インスリン変更後の血糖値や血圧など各種健康データを管理できるアプリでモニタリング、そのフォローアップデータを次回の診察前に医師に情報提供しています。代表取締役の篠原久仁子氏に、事前に医師に情報提供する目的と意義、またアドヒアランス不良の患者さんの存在を医師に伝達することの重要性をお話いただきました。

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