Vol.11 押さえておきたい病院薬剤師の視点(全4回)

遠藤 一司

日本臨床腫瘍薬学会 / 顧問

1973年明治薬科大学卒。北海道地区の2つの国立病院に勤務後、1987年に厚生省(現厚生労働省)に出向し、医薬品等の輸入監視、診療報酬・調剤報酬の改定、病院・薬局の指導監査、老人医療における医薬品使用の適正化や医薬品基金(現PMDA)でH I Vや副作用の被害救済に従事。その後、2004年北海道がんセンター薬剤科長、2005年国立がんセンター東病院薬剤部長、2010年明治薬科大学医薬品安全管理学教授、2014年日本病院薬剤会専務理事として勤務。その間2006年から日本病院薬剤師会理事、副会長としてがん専門薬剤師制度の創設などを行う。2012年には日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)を立ち上げ、理事長として6年間、薬剤師を主体とするがん領域の学会として活動。現在は、北海道薬剤師会常務理事・相談センター業務処理責任者、RevMate第三者評価委員、明治薬科大学評議員などの活動。

がん治療は長い間、手術だけでなく薬物療法も病院の医師だけでほぼ完結していたように思います。しかし、現在のがん薬物治療は医師だけでは、十分な治療は難しく、薬剤師・薬局がどれだけがん薬物療法やがん患者に介入するかで大きく結果が異なります。2021年8月に地域連携薬局やがん領域の専門医療機関連携薬局の認定制度がスタートしたことから、薬剤師や薬局に医師たちとの連携に大きな変化が出ています。薬剤師が薬物治療に積極的に介入することで、今以上に安全で有効な薬物治療が行われ、患者が安心して治療と向き合えるようになると思います。元病院薬剤師からみた薬局や薬局薬剤師を考えてみたいと思います。

Vol.11 押さえておきたい病院薬剤師の視点(全4回)

  • 【第4回】医療連携について

    薬物治療の質を向上させるには、薬局と処方箋を発行する医療機関との連携がとても重要です。医療機関側からの情報提供や情報公開、研修会の開催に加え、薬局側が収集した患者情報の提供を通じての良質な連携が求められます。がん薬物療法における連携には医療機関と薬局の連携のほかに、薬局と薬局の連携を図る必要があります。がんの治療は専門医療機関で行われることが多く、患者はがん以外の疾患を別な医療機関で治療していることが多いことから、かかりつけ薬局との連携をどのように取るのかが、今後の医薬分業の成果につながります。

    シリーズ 薬剤師へ エキスパートが届けるメッセージ

    【第4回】医療連携について
  • 【第3回】がん薬物療法について

    がん患者の対応において、薬剤師は、患者の治療内容などの理解度を確認してから薬物治療に関する説明や指導を行うことや、多くの患者はがんに罹患したことで不安な気持ちになっているという点に留意することが必要です。そして、薬物治療についは、レジメンに基づいた説明を行うことが重要です。抗がん薬による効果や副作用の内容、副作用の発生時期、副作用の対処方法(支持療法)などについて丁寧な説明が求められます。

    シリーズ 薬剤師へ エキスパートが届けるメッセージ

    【第3回】がん薬物療法について
  • 【第2回】薬物療法への介入について

    患者が安心して医薬品を使うために薬剤師・薬局のあり方の見直しが進められています。調剤後の継続的な患者の服薬指導の義務化もスタートしており、対物業務から対人業務への充実が求められています。薬剤師が薬物療法において患者に治療内容や副作用への対応の説明、外来受診前の治療状況・自宅における体調・服薬状況の確認などの介入を行うことで、薬物療法の質の向上がみられる例を紹介します。

    シリーズ 薬剤師へ エキスパートが届けるメッセージ

    【第2回】薬物療法への介入について
  • 【第1回】薬剤師による問診について

    我が国の薬剤師およそ31万人のうち18万人が薬局に勤務しており、多くの国民が描く薬剤師のイメージは薬局で働く薬剤師になるのかもしれません。様々な背景を経て推進されてきた医薬分業において、薬局がその機能を存分に発揮するために薬剤師が出来ることはまだまだ数多くあるのではないでしょうか。

    シリーズ 薬剤師へ エキスパートが届けるメッセージ

    【第1回】薬剤師による問診について

Vol.11 押さえておきたい病院薬剤師の視点(全4回)

  • 会員限定 動画を開く電子書籍を開くPDFを開く

    NEW

    {{item.fields.common_overview}}

    シリーズ