Vol.15 処方見直しのススメ(全4回)

三谷 徳昭

一般社団法人 ミライ在宅委員会/委員長

2000年北里大学薬学部卒業後、チェーンドラッグストアにて予防医療から在宅医療と幅広く経験。2014年パル薬局に入社。在宅部長を務める。在宅医療において薬剤師の価値を高め医療改革を起こすため2017年に一般社団法人ミライ在宅委員会を設立。毎月現場の薬剤師や多職種を集め勉強会を開催中。減薬の学会発表や講演などを行いつつ現在、地域の薬剤師として勤務。
パルコーポレーション在宅部長、一般社団法人 ミライ在宅委員会 委員長、高齢者薬物治療認定薬剤師、慶応義塾大学/昭和薬科大学 非常勤講師、日本口腔ケア学会 薬剤師部会/在宅医療委員会 評議員

人は必ず年を取ります。生活環境は変わり、記憶力は低下し、趣味嗜好も変わる。同時に、腎機能や体重は低下し、体脂肪率は上昇し、コレステロールは低下します。薬物治療だけが変わらず継続していくというのは薬物動態のADME(Absorption(吸収)Distribution(分布)Metabolism(代謝)Excretion(排泄)の頭文字より)からみても軌道修正が必要です。
約5〜6年かけて85名の在宅患者さんの処方見直しを行い平均内服数は4.0種類になりました。予防医療と対症療法の薬をエビデンスや患者の思考をふまえて薬剤師から医師へ処方提案を行い、半年から1年程かけて最小化しています。医師の協力が必要不可欠ですが、今回の全4回のコラムでは、見直しの為に持つべき思考・ポイントなどを皆様と共有していきたいと思っています。

Vol.15 処方見直しのススメ(全4回)

  • 【第4回】始まりと終わり

    「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」この2大用語は、接客業界で一番多く使われている言葉です。皆さんも、小売店を利用していればよく耳にすると思います。繁盛している料理店ほど、味だけでなく最初と最後に気を使い、来店と退店時が心地よく“もう一度来たい”と思うわけです。医療も同様、始まりと終わりが大切。日本の医療の入店は丁寧かつスピーディーに行われるのですが、退店は案内が少なく不安をともなう事があります。処方見直しも始まりと終わりが重要です。

    シリーズ 薬剤師へ エキスパートが届けるメッセージ

    【第4回】始まりと終わり
  • 【第3回】処方提案は結論と情熱

    処方提案方法には対面か非対面か、口頭かデータかがあります。どちらにしても大切にしている事は一番言いたいことつまり結論を最初に伝えるという事です。対面・口頭の場面では「提案の理由」、非対面・データでは「提案の内容」を始めに伝えています。そしてもう1つ大切な事、それは根拠無くとも情熱を持つことです。

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    【第3回】処方提案は結論と情熱
  • 【第2回】見直すべきは心の中に

    予防医療の医薬品を見直すためにはエビデンスが不可欠です。対症療法の医薬品は症状の有無、そして何より考慮しなければいけないのが患者の想いです。患者の想いを左右しているのが医療の経験・知識から医療を理解する力=ヘルスリテラシーであります。患者のヘルスリテラシーを高めずして、処方の見直しは困難であると言えます。

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    【第2回】見直すべきは心の中に
  • 【第1回】在宅医療の脆弱性

    在宅医療に関わり10数年が経ち、肌感覚で思う事。それは、在宅医療は時に脆く・儚く・脆弱性を伴うという事です。多くの治療薬が患者の毒となり、介護の負担となり、医療者の苦悩を生み出しています。そんな脆弱な医療を改善できる能力が薬剤師には備わっていると本気で思うのは私だけではないはずです。

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    【第1回】在宅医療の脆弱性

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