Vol.18 外来がん薬物治療に携わる薬局薬剤師の育成について考える(全4回)

下川 友香理

総合メディカル株式会社/上席執行役員 薬局事業本部長 学術情報部長

長崎大学薬学部卒業後、国立病院薬剤部に勤務し、1989年に総合メディカル株式会社に入社。出産・育児のため退社後、他社薬局勤務を経て、1996年に総合メディカルに再入社し、薬局長・副ブロック長として勤務。その後、同社旗艦店である、そうごう薬局 天神中央店にて外来がん治療専門薬剤師を取得し、社内外で薬剤師育成に携わる。2021年に同社執行役員に就任、2023年から同社上席執行役員 薬局事業本部長を務める。また、2020年から日本臨床腫瘍薬学会の理事を務めている。

近年、外来でがんの薬物治療をする患者さんが増えています。薬局薬剤師も病院薬剤師と連携して役割を担う必要がありますが、専門的な知識不足や、応対に苦手意識を感じる方も少なくありません。私は2010年より外来がん薬物治療に携わり、2015年には外来がん治療認定薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会)となりました。薬局現場と本社育成推進部署での経験から、薬局薬剤師に必要な考え方、人財育成について必要なことをまとめました。

Vol.18 外来がん薬物治療に携わる薬局薬剤師の育成について考える(全4回)

  • 【第4回】専門薬剤師の育成とその今後の役割

    がん患者の苦痛を理解し、エビデンスのある介入をできるようになるために症例検討が有用です。当社で行っているオンライン研修について紹介します。また当社薬剤師にがん治療への苦手意識についてアンケートを行った結果から、必要性の高い研修項目を紹介します。今後、専門薬剤師に求められることは、地域の多職種との連携や地域の薬局薬剤師のボトムアップなどです。さらに患者に役に立った成果が示されたデータやエビデンスを学会等に発信することも重要だと考えます。

    シリーズ 薬剤師へ エキスパートが届けるメッセージ

    【第4回】専門薬剤師の育成とその今後の役割
  • 【第3回】がん患者の苦痛の理解

    当薬局で行ってきた「がん対話カフェ」で相談された内容を、心理面・治療面・生活面に分けて説明します。そういった患者の悩み・気持ちに寄り添い、日常の応対でも、「悲嘆の5段階」のどの段階にいるかを意識します。患者の不安や疑問に答えることで、患者の治療や生活の質の向上につながります。

    シリーズ 薬剤師へ エキスパートが届けるメッセージ

    【第3回】がん患者の苦痛の理解
  • 【第2回】病院薬剤師と薬局薬剤師の違いを理解し、それを活かす

    薬剤師の外来がん薬物治療患者の支援には病院と薬局で違いがあります。薬局薬剤師が関わるタイミングは、重篤な副作用が起きる手前の初期症状が出始めるころです。早期発見・早期対応し、予防するといったところに、薬局薬剤師として力を発揮できます。かかりつけ薬剤師であることは強みです。また、患者応対時や電話フォローアップ時には臨床推論のスキルが必要です。

    シリーズ 薬剤師へ エキスパートが届けるメッセージ

    【第2回】病院薬剤師と薬局薬剤師の違いを理解し、それを活かす
  • 【第1回】病院との連携と、薬局の標準手順

    薬局薬剤師が外来がん治療に携わるためには、まずは病院との連携が重要です。連携により、病院の方針や副作用への対処などを確認することができます。また、薬局内でチームとして目的を設定し、チームが同じ目的をめざして活動することが望ましく、薬局内での手順を標準化することで、一貫性のあるがん薬物治療を担保できます。

    シリーズ 薬剤師へ エキスパートが届けるメッセージ

    【第1回】病院との連携と、薬局の標準手順

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