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Vol.8 薬剤師への患者の期待(全4回)
山口 育子 氏
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML/理事長
1965年大阪生まれ。自らの患者経験を経て1991年秋、COMLと出合い、1992年2月COMLスタッフとなり、相談、編集、渉外などに携わる。2002年NPO法人化とともに、専務理事兼事務局長に就任。2011年8月より理事長。社会保障審議会医療部会、厚生科学審議会医薬品医療機器部会をはじめとする数多くの厚生労働省審議会・検討会の委員を務めている。2018年6月20日に『賢い患者』(岩波新書)刊行。広島大学歯学部客員教授。
薬局はいまだ調剤業務偏重傾向にあり、薬局自体二極化が進んでいます。何よりも薬局薬剤師の役割や存在意義が患者には理解されていません。少なくとも基本的な役割を伝え、薬剤師の役割の“見える化”が必要です。薬機法に服用期間のフォローアップが盛り込まれた機会に、更に薬学的知見に基づく指導のために必要な情報を手にする発信をしてほしい。そして国民を味方につけ、国民が薬局の存在価値を感じられるような取り組みが急務であると考えます。
Vol.8 薬剤師への患者の期待(全4回)
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【第4回】今こそ国民を味方にする最後の機会
かかりつけ薬剤師指導料が新設されて5年が経過したが、本来は「かかりつけ薬局指導料」が認められるべきだったと思っています。薬局の存在価値が瀬戸際に来ているいま、国民を味方につけて「薬局薬剤師が必要」と思ってもらう働きかけが必要です。たまたま利用した薬局が満足のいく薬局である確率を高めるように取り組んでもらいたいと思います。
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【第3回】フォローアップ業務をチャンスに
新しい薬が処方、調剤された段階では患者には何の変化も始まっていません。服用・使用し始めて作用や副作用が生じるのです。服用期間中のフォローアップは本来、薬剤師の当然の業務。それが薬機法に盛り込まれたことで、患者に見える薬剤師の存在は確実に変化するはずです。更なる役割の“見える化”の機会になると期待しています 今回は皆さんのその疑問にお答えしたいと思います。
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【第2回】役割の“見える化”を
薬局薬剤師の基本的役割である①薬剤情報提供、②薬剤服用歴管理、③疑義照会、④残薬整理を伝え、役割の“見える化”をはかることで、患者が薬剤情報の一元管理の必要性が理解できます。「薬学的知見に基づく指導」をしっかり実施するためには情報が不十分であることを薬剤師自ら発信する必要があるのです。
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【第1回】患者に理解されていない薬局薬剤師の存在意義
活動を始めて約30年、薬に関する患者の関心は継続して高いですが、薬剤師の存在意義を実感している患者は少ないようです。更に、病院薬剤師は患者から“見える存在”になってきている一方で、薬局薬剤師は旧態依然とし、薬局そのものが二極化する傾向にあります。多くの薬局は調剤業務に偏重しているのが現状のようです。
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