レミッチ:非臨床試験 - 依存性(ラット、サル)


ナルフラフィン塩酸塩は、ラット急性退薬試験においてモルヒネで認められた退薬症候をほとんど示さなかったことから、身体依存性は弱く、サル自己投与試験において強化効果を認めなかったことから、精神依存性はないと考えられました。

ナロキソン誘発急性退薬試験(ラット)*

ラットにおけるナロキソン誘発急性退薬試験において、ナロキソン投与後の退薬症候スコアはモルヒネ投与群で顕著に上昇したのに対し、ナルフラフィン塩酸塩投与群は対照と同程度であった。

ナロキソン誘発急性退薬試験(ラット)におけるナロキソン投与前及び投与後の退薬症候スコア
方法
ラットにナルフラフィン塩酸塩0.4mg/kg/回又はモルヒネ50mg/kg/回を1日2回5日間反復筋肉内投与し、最終投与の18時間後にナロキソン2mg/kgを腹腔内投与した。ナロキソン投与前10分間と投与後40分間の退薬症候(体温、体重減少、跳躍、ライジング、下痢、眼瞼下垂等)について観察した。

自己投与試験(サル)*

サルにおける静脈内自己投与試験において、ナルフラフィン塩酸塩は自己投与回数を増加させず、精神依存性はないと考えられた。

静脈内自己投与試験(サル)における自己投与回数
方法
アカゲザル4頭を用いたナルフラフィン塩酸塩又はペンタゾシンの静脈内自己投与試験において、下記の9期間の各薬剤の自己投与回数を観察した。

第1期間:生理食塩液(0.25mL/kg/infusion)の最終7日間の自己投与回数
第2期間:ペンタゾシン(単位用量0.25mg/kg)の最終3日間の自己投与回数
第3期間:5%マンニトール(0.125mL/kg/infusion)の最終7日間の自己投与回数
第4期間:ナルフラフィン塩酸塩(単位用量0.0625μg/kg)の2週間の自己投与回数
第5期間:ナルフラフィン塩酸塩(単位用量0.125μg/kg)の2週間の自己投与回数
第6期間:ナルフラフィン塩酸塩(単位用量0.25μg/kg)の2週間の自己投与回数
第7期間:ナルフラフィン塩酸塩(単位用量0.25μg/kg)強制反復投与(6時間毎)の2週間の自己投与回数
第8期間:ナルフラフィン塩酸塩(単位用量0.25μg/kg)の2週間の自己投与回数
第9期間:5%マンニトール(0.25mL/kg/infusion)の7日間の自己投与回数

* 中尾 薫 他:日本薬理学雑誌 135(5): 205, 2010
 本論文の著者のうち7名は、東レ株式会社の社員である。